レポートの要点
- •不用品が「売却可能な資産」として認識され始めたことで、国内リユース市場は2024年に3兆円超に拡大し、2030年には4兆円規模も視野に入る構造的な成長テーマである
- •家計に眠る約90兆円の「かくれ資産」は特に40代以上が保有し、売り手の価格認識ギャップが大きいことから、潜在的な供給余地は大きい
- •投資戦略としては、リユースプラットフォーム、総合リユース、出張買取を「やや強気」とし、仕入れ導線、査定能力、真贋判定、物流連携を持つ企業を高く評価する
(αβ Research 消費・インターネット/ストラテジー担当)
本日は、不用品が「お宝」に変わるというテーマについて、その市場インプリケーションをご報告します。結論から申し上げると、これは単なる節約術の話ではありません。家計の中に眠る資産が売却可能な価値として再認識され始めたことで、国内リユース市場の供給拡大、循環型消費の定着、そして関連企業の収益機会拡大を示すシグナルだと考えます。
要点と市場へのインプリケーション
- 国内リユース市場は2024年に3兆2628億円まで拡大し、10年でおよそ2倍になりました。図表ベースでは2030年に4兆円近い市場も視野に入っており、構造的な成長テーマとして捉えるべき局面です。
- 家庭内の「かくれ資産」は全国で約90兆円、1人あたり約71万円規模と推計されています。特に40代以上ほど保有額が大きく、供給余地は若年層より中高年層に厚いとみています。
- 一方で売り手の価格認識はまだ低く、靴は602円想定に対して平均8963円、メイク・スキンケア用品は309円想定に対して平均3789円というギャップが示されています。つまり、潜在供給はまだ十分に掘り起こされていません。
- フリマアプリでの売却経験は20代〜30代で高く、リユースショップでの売却経験は30代〜50代まで広い傾向です。オンラインは若年・自走型、店舗は中高年・簡便志向型という棲み分けが見えています。
今回のニュースの本質は、家の中の不用品が「価値のない在庫」から「売却可能な資産」へと認識転換し始めた点にあります。ここから先に起きやすいのは、出品件数の増加、店頭持込の増加、査定需要の増加、そして配送、認証、再販まで含めた周辺エコシステムの拡大です。投資対象としては、単に流通総額を追う企業よりも、仕入れ導線、査定能力、真贋判定、物流連携まで持つ企業を高く評価します。
今後の四半期程度までの投資戦略とスタンス
- 基本スタンスは、リユースプラットフォーム、総合リユース、出張買取を「やや強気」です。反対に、新品中心で価格競争力が弱い中価格帯のアパレルや生活雑貨は「中立〜やや弱気」で見ます。
- ベースシナリオは発生確率60%です。メディア露出で売却意欲が高まり、まずは店頭持込と査定件数が増え、その後にアプリ出品へ波及する流れです。この場合、店舗網を持つ総合リユースと、中高年の仕入れ導線を持つ出張買取が先に評価されやすいと考えます。
- アップサイドシナリオは発生確率25%です。40代〜60代の新規売り手が想定以上に定着し、高単価商材の流通が増えれば、アプリの流通総額とブランドリユースの在庫回転が同時に伸びます。この場合は、メルカリや高単価商材に強い銘柄の上方修正期待が高まります。
- ダウンサイドシナリオは発生確率15%です。話題化はしても実際の出品増が一過性にとどまり、送料上昇、不正出品、真贋コスト、広告投資の増加が利益を圧迫するケースです。この場合は、高βの小型成長株よりも、店舗型で在庫回転の見える銘柄へ資金が逃げやすくなります。
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