レポートの要点
- •STELARAの減収をDARZALEX、CARVYKTI、TREMFYAなどの新製品群とMedTech事業の数量成長が補い、売上高は市場予想を上回った
- •売上成長は堅調であるものの、新製品立ち上げに伴う販管費増などにより利益率は低下し、調整後EPSは前年同期比で減益、通期EPSガイダンスの上方修正は限定的であった
- •下期には利益率改善を見込んでおり、新製品の売上積み上げと利益転換が今後の株価を動かす主要な要因となる
STELARA崖を新製品群で吸収、次の焦点は下期の利益転換
(ヘルスケアセクター担当)
発表内容の概要と第一印象
まず第一印象ですが、今回の決算は、売上の質はかなり強い一方で、利益の見せ方はまだ慎重、という内容です。
Q1売上高は$24.1Bで前年同期比+9.9%、営業ベースでは+6.4%でした。主力の旧製品であるSTELARAが大幅減収となる中でも、DARZALEX、TREMFYA、CARVYKTI、RYBREVANT、SPRAVATO、CAPLYTAに加えて、ShockwaveやAbiomedを含むMedTechがしっかり伸びており、コア事業の成長力は明確です。
一方で、利益率はまだ回収局面に入っていません。GAAP EPSは$2.14まで下がっていますが、これは前年のタルク関連引当戻しの反動が大きく、実力値を見るなら調整後EPSの$2.70を見るべきです。ただ、その調整後EPSも前年同期比では減益で、売上成長がそのまま利益に転化した四半期ではありませんでした。
要するに、今回の決算は「STELARAの穴を埋められるのか」という第一関門は十分クリアした一方で、「その成長がいつEPS加速につながるのか」という第二関門はまだ確認待ち、という決算だと見ています。
主要な財務実績と前年同期比
- 売上高は$24.1B、前年同期比+9.9%、営業ベースでは+6.4%
- 調整後EPSは$2.70で、前年同期の$2.77からは小幅減
- Innovative Medicine売上は$15.4B、営業ベース+7.4%
- MedTech売上は$8.6B、営業ベース+4.6%
- DARZALEX売上は約$4.0B、+17.8%
- CARVYKTI売上は約$0.6B、+57.4%
- TREMFYAは+63.8%、SPRAVATOは+44.5%
- STELARAは-61.7%と急減
- CAPLYTA売上は$270Mで、aMDD立ち上がりが継続
- Innovative Medicineの調整前税引前利益率は39.7%で前年の42.5%から低下
- MedTechの利益率は22.3%で前年の25.9%から低下
- 全社の調整前税引前利益率は32.5%で前年の36.6%から低下
見た目の増収以上に重要なのは、STELARAによる約540bpの全社逆風を抱えながら、全社ベースでなお営業成長を確保している点です。STELARAを除けば、実態のコア成長はかなり力強いと見てよいと思います。
市場予想との比較評価
Q1実績そのものは、市場予想に対して小幅ながら素直な上振れでした。売上、調整後EPSともに事前期待を上回っており、四半期単体ではビートです。
ただし、株価が本当に見ていたのは、Q1の着地そのものよりも、STELARA後の成長シナリオが通期EPSにどこまで跳ねるかでした。
この点で見ると、通期売上ガイダンスは引き上げられた一方、通期の調整後EPSガイダンス引き上げは$0.02にとどまりました。つまり、売上期待は上がったが、利益期待はまだ大きくは上げていない、ということです。
決算としてはポジティブですが、株価にとっては「強い売上ビート・小さいEPSビート・かなり控えめな通期EPS上方修正」という組み合わせで、熱狂的に買い上がるには一歩足りない内容でした。
業績変動の主な要因
ポジティブ要因
今回のプラス要因は、はっきり言って数量です。
この会社の足元は、値上げで伸ばしているというより、処方数、患者数、適応拡大、投与サイト拡大、手技件数増といった数量面で伸びています。
特に効いているのは以下の領域です。
- 多発性骨髄腫でのDARZALEXのシェア上昇
- CARVYKTIの投与施設拡大
- RYBREVANTの立ち上がり継続
- TREMFYAのIBDを含む浸透
- CAPLYTAのaMDD新規患者増
- Shockwave、Abiomed、EPのMedTech高成長領域
さらに、ICOTYDEの初動と、INLEXZOのJ-code取得後の伸びも、次四半期以降の数量寄与を強める材料です。
INLEXZOはQ1売上こそまだ立ち上がり段階ですが、償還面の整備が進んだことで、今後は売上加速の確度が上がりやすくなっています。
ネガティブ要因
マイナス要因は、STELARAの急減に加え、利益率側に集中しています。
- STELARAのバイオシミラー競争による急減収
- 新製品立ち上げに伴う販管費増
- Intra-Cellular買収に伴う費用増
- MedTechでの関税影響による原価上昇
- Innovative Medicineでの不利な製品ミックス
- 中国EPにおけるVBPの下期逆風見通し
つまり、売上面は数量でかなり強い一方、コスト面では変動費と固定費の両方が逆風だった、という構図です。
会社側の通期ガイダンスや今後の見通し
会社は2026年の通期見通しを引き上げました。
報告売上高のガイダンス中央値は$100.8B、調整後EPSの中央値は$11.55です。売上は初の$100B到達が視野に入っていますが、ここには53週目要因の約100bp押し上げも含まれていますので、表面の数字をそのまま構造成長と受け取るべきではありません。
重要なのは、会社がQ1で利益率を落としながらも、通期では調整前税引前利益率を少なくとも50bp改善すると維持している点です。
これは、上期に先行投資を集中させ、下期で回収する前提です。したがって、今後の焦点は、ICOTYDE、INLEXZO、CAPLYTA、MedTech新製品の売上加速そのものよりも、その増収がどれだけ販管費率改善と粗利率改善に結びつくかに移ります。
また、フリーキャッシュフローはQ1で$1.5Bと弱く見えますが、これはリベート支払い時期と米国設備投資のタイミング要因によるもので、会社は通期約$21B見通しを維持しています。加えて、年率配当は3.1%引き上げられており、資本配分の安定感は引き続き高いと見ます。
当該企業の過去の業績変動メカニズムを踏まえた解釈
Johnson & Johnsonのここ数年の業績の癖は、かなり明確です。
この会社は、価格主導型というより、数量・製品ミックス主導型の成長企業です。2023年から2025年にかけて売上は$85.2B、$88.8B、$94.2Bと拡大してきましたが、その中心は大型製品の値上げではなく、DARZALEX、CARVYKTI、TREMFYA、RYBREVANT、Shockwave、Abiomedといった高成長アセットの数量拡大でした。
一方で、利益の出方には特徴があります。
新製品の立ち上げ期は販促、人員、アクセス整備、教育投資が先に立つため、売上成長ほどにはEPSが伸びません。逆に、処方や手技が一定水準を超えると、固定費負担が薄まり、そこから利益が増幅しやすい会社です。
言い換えると、この会社は「数量が立ち上がる局面では売上先行、回収局面では利益が後からついてくる」タイプです。
今回の材料を4つのファクターで整理すると、こうなります。
- 数量効果は明確にプラスです。今回の決算の本質はここです
- 販売価格効果は限定的なプラスです。コンタクトレンズの戦略価格改定やプレミアムIOLミックスはあるものの、主役ではありません
- 変動費効果はややマイナスです。MedTechの関税やミックス悪化が重しです
- 固定費効果は短期的にはマイナスです。新製品販促と買収関連費用が先行しています
ですので、今回の決算は「数量勝ち・利益率待ち」の典型例です。
この会社らしい勝ち方はできているのですが、まだ収穫期に完全には入っていない、という理解が一番しっくりきます。
今回資料が今後の売上、利益、利益率、EPS、株価期待にどうつながりやすいかの示唆
今後の売上には、かなり素直にプラスです。
ICOTYDE、INLEXZO、CAPLYTA、RYBREVANT、CARVYKTI、Tremfyaの積み上がりで、STELARAの減収を上回る新製品寄与が続く公算は高いと見ています。特にICOTYDEは、経口であること自体が患者プール拡大につながる可能性があり、単なる既存薬からのシェア奪取だけでなく、市場拡大型の成長が期待できます。
利益と利益率については、時間差を持ってプラスです。
短期では販管費先行と関税が残るため、Q2も利益率はまだ重い可能性があります。ただ、会社が通期でマージン改善を維持している以上、下期に入ってからは新製品の売上成長が利益へ転化してくる前提です。
したがって、EPSの上振れ余地は、売上の再上振れよりも、下期の販管費コントロールと粗利率回復にかかっています。
株価期待への示唆としては、次の決算までの最大論点は2つです。
1つ目は、STELARA減収を超える新製品売上の積み上がりが継続するか。
2つ目は、その増収が本当にEPSへ変換され始めるか。
前者は今回かなり確認できましたが、後者はまだ道半ばです。ここが確認できれば、株価の評価はもう一段上に切り上がりやすいと思います。
アナリストとしての総合評価と株価への示唆
総合評価は、短期では中立、3カ月から1年ではやや強気です。
理由は明快で、事業の中身は強いのに、株価が次に大きく上がるための条件が、もう四半期分だけ必要だからです。
足元の株価は、年初来でかなりしっかり上がってきており、今回の決算当日の反応も限定的でした。これは、投資家がすでにコア成長の回復をある程度織り込み始めていたことを意味します。
したがって、ここからは「ビートしたから買う」ではなく、「利益転換が見えるなら買う」というフェーズに入っています。
ただし、中期で見ると、見方は前向きです。
STELARA cliffを新製品群で埋める絵が見えており、Immunology、Oncology、Neuroscience、Cardiovascular、Visionと、成長エンジンが複線化しているからです。さらに、Orthopedics分離が実現すれば、会社全体の成長率の見え方も改善しやすくなります。
ですので、現時点の投資行動としては、決算だけを見て強気一辺頭で追いかける局面ではありませんが、下期の利益率回復を取りにいく押し目買い候補としては十分に魅力があると考えます。
IR担当者へヒアリングしたい事項
- ICOTYDEについて、初期処方のうち新規患者比率、既存経口薬からのスイッチ比率、生物学的製剤前の患者比率をどう見ているか
- ICOTYDEのアクセスについて、2026年後半までにどの水準の償還カバレッジを目標にしているか
- STELARA減収のスピードは、会社想定と比べて上振れか下振れか。特に2026年下期の減収カーブをどう見ているか
- INLEXZOはJ-code取得後に挿入件数が加速しているが、今後のボトルネックは償還ではなく施設教育なのか、それとも患者認知なのか
- CAPLYTAのaMDD立ち上がりで重要なのは新規患者数か継続率か。収益性が見え始めるタイミングはいつか
- MedTechの関税影響と中国VBP影響について、どの事業でどこまで価格転嫁やコスト吸収が可能か
- 通期で50bp以上の利益率改善を維持する前提として、下期にどの費用項目が最も大きく正常化する想定なのか
プライム市場の関連銘柄へのインプリケーション
- 武田薬品工業 4502
消化器・炎症性疾患が主力の1つで、グローバルでのIBDプレゼンスが大きい銘柄です。JNJがTREMFYAに加えて、経口のICOTYDEまで前線に置けるなら、乾癬からIBDまでの免疫領域でポートフォリオの厚みが増し、比較上は武田の成長プレミアムがやや出にくくなります。株価インプリケーションは -1 です。
- アステラス製薬 4503
XtandiやPadcevを持つ泌尿器がんの有力プレーヤーです。JNJのERLEADA継続成長とINLEXZOの立ち上がりは、前立腺がんと膀胱がんの周辺領域でJNJの存在感を高める材料で、相対比較ではアステラスにはやや逆風です。株価インプリケーションは -1 です。
- テルモ 4543
カテーテル、血管内治療、心血管領域に強い日本の代表的MedTechです。JNJのAbiomed、Shockwave、EP好調は、複雑心血管手技の需要が想定ほど弱くないことの確認でもあり、エンドマーケット面ではテルモにポジティブです。直接競合というより、セクター評価の改善が効く話で、株価インプリケーションは +1 です。
スタンダード・グロース市場の関連銘柄へのインプリケーション
- GNI Group 2160
日米中をまたぐ創薬・医療機器プラットフォームを持つグロース銘柄です。JNJが今回あらためて示したのは、早期技術でも大きな市場を取りにいけるなら積極的に育てるという姿勢で、グローバル展開を狙う創薬プラットフォーム全般の評価には追い風です。直接恩恵は限定的ですが、バリュエーション面の読替えで株価インプリケーションは +1 です。
- サンバイオ 4592
中枢神経領域の高アンメットニーズを狙う再生医療企業です。JNJのCAPLYTA立ち上がりが示しているのは、CNSでも有効性と差別化があれば商業機会はなお大きいという点で、リスクマネーが戻る局面ではCNSグロースにも追い風になり得ます。あくまでセンチメントの読替えですが、株価インプリケーションは +1 です。
- 3-D Matrix 7777
外科用止血材を中心に、自己組織化ペプチド技術を展開する医療材料企業です。JNJのSurgery、Biosurgeryの底堅さは、手術室で使われる付加価値材料の需要が崩れていないことの確認であり、ニッチな外科材料にもポジティブな読替えが可能です。株価インプリケーションは +1 です。
関連ETFへのインプリケーション
- Health Care Select Sector SPDR Fund XLV
JNJの組入比率が高く、今回の決算はNAVに比較的ストレートに効くタイプです。売上ビートとガイダンス上方修正はプラスで、特に大型ヘルスケアのディフェンシブ成長再評価につながりやすいです。株価インプリケーションは +2 です。
- iShares U.S. Healthcare ETF IYH
JNJの寄与が大きい broad healthcare ETF です。今回の決算は、Big Pharma単独ではなく、PharmaとMedTechを併せ持つ大型ヘルスケアの質の高い成長を示した点で、IYHにも前向きです。株価インプリケーションは +2 です。
- iShares U.S. Medical Devices ETF IHI
こちらはJNJそのものより、MedTech部分の読替えが効くETFです。Abiomed、Shockwave、EP、Visionの強さは、手技需要や高付加価値デバイス需要が想定以上に底堅いことを示しており、医療機器セクター全体には支援材料です。株価インプリケーションは +1 です。
関連海外株式へのインプリケーション
- Genmab GMAB
デンマーク発の抗体医薬バイオ企業で、Nasdaq上場銘柄です。DARZALEXの創製企業であり、Johnson & Johnsonによる販売拡大はGenmabのロイヤルティ収入に直結しやすい構造です。今回、DARZALEX売上が約$4.0Bまで伸びたことは、そのままGenmabの収益期待を押し上げる材料で、海外関連株の中では最も直接性が高い部類です。株価インプリケーションは +2 です。
- Protagonist Therapeutics PTGX
ペプチド創薬に特化した米国バイオで、ICOTYDEの共同創製パートナーです。今回のJ&J決算で見えたのは、ICOTYDEが単なる承認取得にとどまらず、初期処方の立ち上がりまで伴っている点で、これはPTGX側から見れば、旗艦資産の商業価値が一段と現実味を帯びたということです。J&Jの販売網で市場拡大型の立ち上がりが確認できれば、PTGXの評価余地は大きくなりやすく、株価インプリケーションは +2 です。
- AbbVie ABBV
Skyrizi、Rinvoqを抱える免疫領域の世界的リーダーです。J&JのTREMFYA加速に、経口のICOTYDEまで加わるとなると、乾癬やIBD周辺での競争は一段と激しくなります。カテゴリー全体の成長にはプラスでも、相対シェアや競争ポジションで見るとAbbVieには小幅な逆風で、株価インプリケーションは -1 です。
- Intuitive Surgical ISRG
da Vinciを擁する手術ロボットの圧倒的リーダーです。J&JのOTTAVAはまだ本格業績寄与前ですが、FDA提出と臨床開発の進展が続けば、外科ロボティクス市場での競争環境は中長期的に確実に厳しくなります。今すぐの業績影響は限定的でも、独占的な評価プレミアムにはやや逆風で、株価インプリケーションは -1 です。
まとめ
結論を短く言うと、今回の決算で確認できたのは2つです。
1つは、STELARA減収という大きな穴を、新製品群の数量成長で十分に埋められるようになってきたこと。
もう1つは、その売上成長がまだEPSにフルには転化しておらず、下期の利益率回復が次の株価ドライバーになることです。
したがって、今後見るべきポイントは明確です。
ICOTYDE、INLEXZO、CAPLYTA、DARZALEX、TREMFYAなどの数量がさらに積み上がるか。
そして、その積み上がりが下期に本当に利益率改善として見えてくるか。
この2点が確認できれば、Johnson & Johnsonの評価はもう一段上に行けると考えます。以上。
【免責事項】
本レポートは、AI(人工知能)が収集・判断した情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。記載された見解は作成時点での判断であり、予告なく変更されることがあります。 本レポートは情報提供のみを目的としており、特定の有価証券の売買やその他の取引を推奨し、あるいは勧誘するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。本レポートの利用により生じたいかなる損害についても、αβ Researchは一切責任を負いません。
【AIによる分析に関する注記】
本レポートにおける分析、判断、および執筆は、すべてAIによって自動生成されています。そのため、現時点ではその出力が必ずしもお客様の要求水準に達していない可能性があります。 しかしながら、『イノベーションのジレンマ』(クレイトン・クリステンセン著)で示されている通り、AIのような新しい革新的テクノロジーの進化スピードは極めて速く、現在は既存の要求水準を満たせない場合があったとしても、いずれその水準に追い付き、追い越していく可能性が高いとαβ Researchは考えております。本レポートの利用に際しては、この点もご承知おきください。
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