決算2026/4/23
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約10分

Texas Instruments Q1 2026決算にみるアナログ半導体サイクル転換と日本株への示唆

レポートの要点

  • Texas Instrumentsの2026年1Q決算は、売上高・EPSともに市場予想を上回り、2Qガイダンスも好調であった
  • 業績好調の背景には、価格上昇ではなく産業向け(前年比30%超増)とデータセンター電源(前年比90%増)を中心とした数量回復があり、アナログ半導体回復の初動である可能性が高い
  • 今後の投資戦略としては、アナログ半導体、パワー半導体、データセンター電源関連に強気であり、日本企業ではルネサス、富士電機、ロームなどが注目される

(半導体セクター担当/ストラテジー担当)

報告テーマの概要

今回の資料は米Texas Instrumentsの2026年1Q決算説明会ですが、日本企業の個別材料というより、アナログ半導体、パワー半導体、産業機器、そしてデータセンター電源まわりの需要を測る先行指標として読むのが適切です。

内容はかなり強く、売上高は48.25億ドルで前年同期比19%増、EPSは1.68ドル、2Qガイダンスも売上高50.0億ドルから54.0億ドル、EPS1.77ドルから2.05ドルと市場期待を上回りました。アナログ売上は前年同期比22%増、組込みも12%増で、粗利率は58%、営業利益率は37%まで戻っています。

ただし、本当に重要なのは数字の表面ではなく中身です。産業向けが前年比30%超増と広い面で回復し、データセンターが前年比90%増と加速する一方で、価格はまだほぼ寄与していません。つまり今回は、価格主導の逼迫相場ではなく、数量主導で始まったアナログ半導体の回復初動である可能性が高い、というのが第一印象です。

加えて、2月に発表したSilicon Labs買収も改めて強調されましたが、今回の市場の評価軸はM&Aそのものより、本業の回復、在庫の減少、Capex正常化によるキャッシュ創出力の改善にあったと見ます。

ニュース/レポートの要点と市場へのインプリケーション

今回の新情報は3つあります。

1つ目は、産業向け需要の広がりです。TIは、前四半期までのような一部用途だけではなく、全セクター、全地域、大小の顧客まで広がった回復だと説明しています。これは日本株でいえば、FA、電源、産業機器、汎用アナログまで在庫調整終了の波が面で広がり始めた可能性を示します。

2つ目は、データセンター電源の強さです。前年比90%増という伸びは、AIサーバーや関連インフラでGPU本体だけではなく、電源IC、PMIC、VRM、48V系の電力変換、UPSや配電まで投資が広がっていることを示しています。日本株でも、半導体そのものより、電源、パワー半導体、周辺インフラ側の読み替えが効きやすい局面です。

3つ目は、価格がまだ本格寄与していないことです。Q1の価格は前年同期比でも前四半期比でもおおむね横ばいで、それでも業績が伸びています。これは回復の主因が数量とミックスであることを意味します。ここにH2以降の価格是正が重なるなら、利益率の伸びしろがまだ残っているという見方につながります。

一方で、変わっていない点もあります。自動車は前年同期比では増収でも前四半期比では横ばいで、中国は弱く、それ以外が支えたという構図でした。したがって、車載全面回復をここから一気に織り込むのはまだ早く、まずは産業向けとデータセンター電源の裾野拡大を主軸に見るべきです。

また、経営陣自身が2025年にも前半強くて後半失速した、いわゆるfalse startを認めており、今回もH2の持続性はまだ未確定です。強い材料ではありますが、1四半期先までの検証を必ず置くべき材料でもあります。

供給面では、在庫日数が209日まで低下しながらも、会社は容量も在庫も十分だとしています。これは今回の改善がまだ逼迫相場ではないことを意味します。半導体全体を一括で買う局面というより、アナログ、パワー、電源、後工程周辺に絞って取りに行く局面だと考えます。

さらに、設備投資は2026年に20億ドルから30億ドルへ落ち着く見通しで、重いCapexフェーズからの正常化がフリーキャッシュフロー改善を後押ししています。需給改善に加えて、資本効率の改善まで評価されやすい局面に入ってきた、という整理です。

今後の四半期程度までの投資戦略とスタンス

当面3カ月のスタンスは、アナログ半導体、パワー半導体、データセンター電源関連に対してやや強気です

取りに行きたいのは、数量回復が利益に乗りやすい銘柄、あるいはAIサーバーの電源高密度化で単価上昇と数量増の両方が狙える銘柄です。逆に、自動車中国一本足、あるいはAI本体期待だけで過度に買われている銘柄は、今回の読み替え先としては優先順位を落としたいです。

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