ニュース解説2026/2/18
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約12分

第2次高市内閣の閣僚指示書に基づく政策テーマと株式市場への影響分析

レポートの要点

  • 第2次高市内閣の政策は、複数年度の財政出動を伴う危機管理・成長投資を重視し、飲食料品の消費税減税や給付付き税額控除の検討、デジタルインフラ整備、防衛力強化、エネルギー安全保障、GX投資など多岐にわたる政策テーマを推進する
  • 複数年度の財政出動は、建設・資材、重工、防衛電子、SI、通信インフラ、サイバーセキュリティなどのセクターに政策プレミアムをもたらす一方、積極財政による金利上昇圧力はJ-REITや高PER成長株などのデュレーションの長い資産にバリュエーション調整のリスクをもたらす
  • 今後1四半期程度の投資スタンスはTOPIX全体で「やや強気」とし、建設・資材、デジタル政府、通信・電線、サイバー、防衛、エネルギー安全保障といった政策テーマに沿った銘柄を選好し、金利上昇に弱い領域は抑制する方針

(αβ Research ストラテジー担当)

本日は、2026年2月18日に発足した第2次高市内閣で、首相が全18閣僚に出した指示書の内容を手掛かりに、今後の政策運営の優先順位と、日本株のセクター別・銘柄別インプリケーションを整理します。第一印象としては、単発の景気対策というより、危機管理投資と成長投資を同時に回し、当初予算中心で複数年度の財政出動をコミットする、という「政策の見通し」を重視した設計思想が前面に出ています。個別論点では、飲食料品の消費税減税や給付付き税額控除の検討、マイナンバーカードと自治体DX、データセンターや海底ケーブルを含むデジタルインフラ整備、防衛力とインテリジェンス機能の強化、能動的サイバー防御を含むサイバー安全保障、国土強靱化と地下シェルター、エネルギー安全保障としての原発利活用と次世代革新炉・フュージョン、GX2040の投資加速、太陽光パネルのリサイクル、食料安全保障としてのスマート農林水産、という複数のテーマが同時に走る形です。

市場へのインプリケーションを大枠で言うと、財政出動の「量」だけでなく「期間」を示唆している点が重要です。複数年度の公共投資や防衛・サイバーの継続支出は、企業側が設備投資や人員投資を踏み切りやすく、受注の確度と可視性が上がるため、建設・資材、重工、防衛電子、SI、通信インフラ、サイバーセキュリティといった領域に政策プレミアムが乗りやすいと見ます。一方で、積極財政が市場に「金利上昇圧力」として受け止められる局面では、相対的に、J-REITや不動産、超高PERの長期成長株など、いわゆるデュレーションの長い資産はバリュエーション調整が起きやすくなります。ここは「景気には追い風だが、金利には上方向のリスク」という、セクター間の優劣が出やすい地合いを想定しておくべきです。

今後1四半期程度の投資スタンスとしては、TOPIX全体には「やや強気」を置きつつ、政策テーマに沿った選別色が強まるとみています。ベースシナリオは、当初予算中心の執行と制度設計が進み、建設・資材、デジタル政府、通信・電線、サイバー、防衛、エネルギー安全保障が相対的に強い、という展開です。この場合のポジショニングは、景気敏感の中でも「政策予算に紐づく受注型」と「制度変更に紐づく更新需要型」を厚めにし、金利上昇に弱い領域は中立からやや抑制、が基本になります。アップサイドは、飲食料品の消費税減税や給付付き税額控除の制度案が早期に具体化し、家計の実質可処分所得が改善して内需が想定以上に強まるケースで、この場合は食品スーパー、外食、日用品、決済・POS、物流の裾野まで波及します。ダウンサイドは、財源論や制度設計の難航で政策が先送りされる、あるいは国債金利が急騰して株式全体のリスクプレミアムが上がるケースで、ここは銀行・保険のロングとJ-REITのアンダーウェイト、もしくは建設・資材のロングと不動産のアンダーウェイトといった、金利感応度の差を使ったヘッジが有効です。加えて、地政学リスクが高まる局面では、防衛・サイバーは相対的に底堅い一方、観光や輸送は振れやすい点も織り込んでおきます。

モニタリングすべきポイントは、2026年度の当初予算でどの分野にどの程度の「複数年度コミット」が付くか飲食料品の消費税減税と給付付き税額控除の制度案がいつ、どの設計で提示されるか、ガソリン税・軽油引取税の暫定税率廃止に伴う地方財源の手当てがどの形になるか、マイナンバー・マイナ保険証の運用拡大で現場負荷を下げる追加投資が出るか、能動的サイバー防御を含むサイバー対処の制度整備がどのスケジュールで進むか、NTT法の廃止を含む制度見直しが通信インフラ投資の枠組みにどう影響するか、原発利活用・次世代革新炉・フュージョンとGX2040の具体的な支援策が、電力会社・重電・素材・新技術にどう資金を流すか、の7点です。

ここから、関連銘柄をいつもより多めに挙げます。まずプライム市場です。インフラと国土強靱化の文脈では、鹿島建設(1812)は大型土木と防災関連で中長期の受注増が見込みやすく、株価インプリケーションは+3です。大成建設(1801)は公共工事と都市インフラ更新の恩恵が大きく、株価インプリケーションは+3です。大林組(1802)は老朽インフラ更新と防災案件の裾野が広く、株価インプリケーションは+2です。清水建設(1803)は防災・耐震の需要が追い風で、株価インプリケーションは+2です。五洋建設(1893)は港湾・海洋土木の比率が高く、海底ケーブルや港湾強靱化の連想も効きやすいため、株価インプリケーションは+3です。資材では、太平洋セメント(5233)は国土強靱化と地下シェルター整備の進展が数量面で追い風になり、株価インプリケーションは+2です。住友大阪セメント(5232)も同様の政策需要を取り込みやすく、株価インプリケーションは+2です。

デジタルインフラでは、住友電工(5802)は光ファイバや送配電の投資拡大の恩恵が見込まれ、株価インプリケーションは+3です。フジクラ(5803)は光・データセンター関連需要と海底ケーブル連想が強く、株価インプリケーションは+3です。古河電工(5801)も通信・電力インフラ投資の波及を受けやすく、株価インプリケーションは+2です。通信キャリアでは、NTT(9432)はNTT法見直しが中長期の事業自由度を高める可能性がある一方、制度議論の不確実性も残るため、株価インプリケーションは+1です。KDDI(9433)とソフトバンク(9434)は自治体DXや地域のデジタル基盤整備が法人・公共領域の需要を押し上げやすく、株価インプリケーションはそれぞれ+1です。NEC(6701)は官公庁・通信・防衛の交点に位置し、海底ケーブル、サイバー、指揮統制の複合テーマで評価されやすいため、株価インプリケーションは+3です。富士通(6702)は政府・自治体の基幹更改とデータ利活用の加速が追い風で、株価インプリケーションは+2です。日立製作所(6501)はデジタル、電力、社会インフラの政策需要を束ねて取り込みやすく、株価インプリケーションは+2です。本人確認やカード・帳票の需要では、TOPPANホールディングス(7911)はID関連と行政のデジタル化で底堅く、株価インプリケーションは+2です。大日本印刷(7912)も同様にセキュアプリントと情報系で需要を取り込みやすく、株価インプリケーションは+2です。

サイバー安全保障の強化では、トレンドマイクロ(4704)は民間から公共まで更新需要が増えやすく、株価インプリケーションは+3です。セコム(9735)はテロ対策や重要インフラ防護の文脈で物理とデジタルの両面の需要増が見込まれ、株価インプリケーションは+2です。ALSOK(2331)も公共・重要施設向けの警備需要が追い風で、株価インプリケーションは+1です。

外交・防衛の強化では、三菱重工(7011)は防衛装備とエネルギーの両輪で政策テーマの中心にあり、株価インプリケーションは+4です。川崎重工(7012)は航空宇宙・防衛とインフラの連想が効き、株価インプリケーションは+3です。IHI(7013)は航空エンジン・防衛領域で政策需要が追い風となり、株価インプリケーションは+3です。三菱電機(6503)はレーダーや防衛電子、電力システムの両面で恩恵が見込まれ、株価インプリケーションは+2です。日本製鋼所(5631)は防衛関連の裾野拡大で収益機会が増えやすく、株価インプリケーションは+2です。

エネルギー安全保障とGXでは、東京電力ホールディングス(9501)は原発利活用の政策推進が進むほど中長期の収益改善余地が出ますが、規制・世論要因も大きいため、株価インプリケーションは+1です。関西電力(9503)も原発活用が進む局面では燃料コスト面の追い風があり、株価インプリケーションは+1です。電源開発(9513)は電力供給とエネルギー安全保障の中核に近く、株価インプリケーションは+1です。再エネとGX投資では、レノバ(9519)はGX2040の加速がテーマ性を強める一方、金利上昇局面での資金調達コストが重しになり得るため、株価インプリケーションは+1に留めます。新技術では、積水化学工業(4204)はペロブスカイト太陽電池の社会実装が政策支援と噛み合うと評価が上がりやすく、株価インプリケーションは+2です。資源安全保障では、INPEX(1605)は国産資源開発や供給多角化の文脈で政策追い風があり、株価インプリケーションは+1です。ガソリン税の暫定税率廃止や燃料政策の見直しが進む局面では、ENEOSホールディングス(5020)と出光興産(5019)は需要面ではプラスでも、制度設計次第でマージンに影響が出るため、株価インプリケーションはいずれも0から+1のレンジで見ます。

金利面の副作用も意識すると、銀行は相対的に有利です。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は長期金利上昇局面で利ざや改善が見込みやすく、株価インプリケーションは+2です。三井住友フィナンシャルグループ(8316)も同様に+2です。みずほフィナンシャルグループ(8411)も同様に+2です。逆に、不動産は金利上昇が重しになりやすく、三井不動産(8801)は株価インプリケーションを-1、三菱地所(8802)も-1とします。

内需の手取り改善策が具体化した場合の連想としては、セブン&アイ・ホールディングス(3382)は食品の販売比率が高く、税制措置が消費を下支えすれば数量面の追い風となり、株価インプリケーションは+1です。イオン(8267)も生活防衛需要の受け皿になりやすく、株価インプリケーションは+1です。外食では、ゼンショーホールディングス(7550)は低価格帯需要とインバウンド回復の両面が噛み合えば+1です。物流改革の文脈では、SGホールディングス(9143)とNIPPON EXPRESSホールディングス(9147)は効率化投資の加速が追い風になり得ますが、人件費・燃料費次第で振れやすく、株価インプリケーションはいずれも+1です。

続いてスタンダード・グロース市場です。制度変更に伴う「現場の更新需要」を取りにいける銘柄が多く、テーマ株としての物色が起きやすいと見ます。飲食料品の消費税減税や税率変更への対応が広がると、スマレジ(4431)はPOSと周辺システム更新の特需が入りやすく、株価インプリケーションは+3です。バックオフィスの制度対応では、フリー(4478)は中小企業の会計・請求領域で更新需要が出やすく、株価インプリケーションは+2です。能動的サイバー防御を含むサイバー対処の強化では、サイバーセキュリティクラウド(4493)はWebセキュリティ需要の追い風が強く、株価インプリケーションは+3です。FFRIセキュリティ(3692)は官公庁・重要インフラ領域での採用が進むほどテーマ性が高まり、株価インプリケーションは+3です。セキュアヴェイル(3042)は運用・監視の需要が増えやすく、株価インプリケーションは+2です。行政DXの周辺では、NTTデータイントラマート(3850)は業務プロセスのデジタル化需要が追い風で、株価インプリケーションは+2です。AI実装を後押しする政策が進む場合、ABEJA(5574)は産業向けAIの導入加速で評価されやすく、株価インプリケーションは+2です。安全保障と災害対応の文脈では、ドローンの活用余地が広がり、ACSL(6232)は官公庁・インフラ点検・災害対応の需要増が見込めるため、株価インプリケーションは+2です。宇宙政策の強化では、ispace(9348)は国の宇宙戦略の追い風がテーマ性を高めますが、事業リスクも大きい領域のため、株価インプリケーションは+1に留めます

次に関連ETFです。政策テーマを広く取りにいくなら、NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信(1619)は国土強靱化とインフラ更新の恩恵をパッケージで取り込めるため、インプリケーションは+2です。NEXT FUNDS 東証銀行業株価指数連動型上場投信(1615)は積極財政が金利上昇圧力になった場合のヘッジにもなり、インプリケーションは+2です。NEXT FUNDS 情報通信・サービスその他(TOPIX-17)上場投信(1626)は自治体DXとサイバー強化の流れを取り込みやすく、インプリケーションは+2です。NEXT FUNDS エネルギー資源(TOPIX-17)上場投信(1618)は資源安全保障とエネルギー政策の変化を反映しやすく、インプリケーションは+1です。NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX-17)上場投信(1621)は健康医療安全保障と創薬投資の流れに乗りやすく、インプリケーションは+1です。iシェアーズ オートメーション&ロボット ETF(2522)は人手不足対策と生産性向上投資の政策文脈に合致し、インプリケーションは+1です。グローバルX AI&ビッグデータ ETF(223A)はAI実装の加速局面で選好されやすく、インプリケーションは+1です。一方、金利上昇が進む局面ではNEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)は相対的に逆風になりやすく、インプリケーションは-1です。

最後に海外株式です。防衛と同盟強化の文脈では、米国のロッキード・マーチン(LMT)はミサイル防衛や航空機で同盟国の調達増の恩恵を受けやすく、株価インプリケーションは+2です。RTX(RTX)も防空・ミサイル関連の需要増が追い風で、株価インプリケーションは+2です。防衛分野のソフトウェア化が進むほど、パランティア(PLTR)はデータ統合と意思決定支援の需要が拡大しやすく、株価インプリケーションは+2です。サイバー安全保障の強化では、クラウドストライク(CRWD)は官民のセキュリティ投資増の恩恵が見込め、株価インプリケーションは+2です。パロアルトネットワークス(PANW)も同様に+2です。半導体とAIの政策投資が進む局面では、エヌビディア(NVDA)は計算資源投資の拡大の恩恵が大きく、株価インプリケーションは+2です。TSMC(TSM)は先端半導体の供給能力が戦略物資として重視されるほど中長期の需要が底堅く、株価インプリケーションは+1です。エネルギー安全保障で原子力とフュージョンの社会実装が進む方向性が強まるほど、カメコ(CCJ)はウラン需給のタイト化の連想が効きやすく、株価インプリケーションは+1です。データセンター投資の裾野が広がる局面では、エクイニクス(EQIX)は需要面では追い風ですが、金利上昇局面では評価が振れやすいため、株価インプリケーションは+1です。日本の円金利が上がり円高圧力が強まる局面では、対日競争上は米国企業が相対的に有利になることもあり、例えば米国の総合防衛・産業領域の一部には追い風となる可能性がありますが、ここは為替と金利の同時変動を見ながら機動的に判断すべき領域です。

以上。

【免責事項】

本レポートは、AI(人工知能)が収集・判断した情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。記載された見解は作成時点での判断であり、予告なく変更されることがあります。 本レポートは情報提供のみを目的としており、特定の有価証券の売買やその他の取引を推奨し、あるいは勧誘するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。本レポートの利用により生じたいかなる損害についても、αβ Researchは一切責任を負いません。

【AIによる分析に関する注記】

本レポートにおける分析、判断、および執筆は、すべてAIによって自動生成されています。そのため、現時点ではその出力が必ずしもお客様の要求水準に達していない可能性があります。 しかしながら、『イノベーションのジレンマ』(クレイトン・クリステンセン著)で示されている通り、AIのような新しい革新的テクノロジーの進化スピードは極めて速く、現在は既存の要求水準を満たせない場合があったとしても、いずれその水準に追い付き、追い越していく可能性が高いとαβ Researchは考えております。本レポートの利用に際しては、この点もご承知おきください。

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