深堀リサーチ2026/2/14
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約20分

機械セクター 2025年10-12月期決算レビュー~設備投資サイクルの底打ちと「フィジカルAI」による構造変革の共鳴~

レポートの要点

  • 2025年10-12月期の機械セクターは、在庫調整の終了と設備投資の回復により成長サイクルへの転換期を迎え、特に工作機械の受注は外需主導で過去最高水準を更新し、力強い回復フェーズに移行した
  • FA・ロボット分野では、安川電機の半導体関連投資による回復や、ファナックの生成AIを活用した「フィジカルAI」による協働ロボット受注の劇的な増加、ハーモニック・ドライブ・システムズの在庫調整終焉など、構造的な需要創出と実需回復が顕著である
  • 建設機械セクターは北米のインフラ投資や工場建設による堅調な需要がコマツや日立建機の業績を支える一方、アジア市場の減速により地域的な二極化が鮮明となり、ダイキン工業や三菱重工業はそれぞれデータセンター向けや防衛分野で成長を継続した

エグゼクティブサマリー

2025年10-12月期(CY25 Q4)の機械セクターは、長らく続いた在庫調整と投資抑制の局面を脱し、次なる成長サイクルに向けた反転の狼煙を上げた重要な四半期となった。日本工作機械工業会が発表した2026年1月の受注速報値が前年同月比25.3%増の1,455億円に達した事実は、世界的な設備投資需要が確実に底打ちし、力強い回復フェーズに移行したことを示唆している 。特に、外需が単月で過去最高額を更新する場面が見られるなど、北米を中心とした製造業のリショアリング(国内回帰)と、アジアにおけるAI関連の先行投資がセクター全体の牽引役となっている 。

ファクトリーオートメーション(FA)およびロボット分野においては、これまでの「在庫の重石」が解消され、実需に基づいた受注が回復している。安川電機の決算では、半導体市場がAI向け投資を起点として期の後半から明確な回復基調に転じ、国内の電子部品市場向けACサーボモータの販売が伸長していることが確認された 。また、ファナックが生成AIを活用した「フィジカルAI」の実装により、協働ロボットの受注を劇的に伸ばしている点は、単なる景気循環を超えた構造的な需要の創出を意味している 。

建設機械セクターでは、地域的な二極化が鮮明となった。インドネシアをはじめとするアジア市場では、石炭価格の停滞や公共工事予算の制約が重荷となり減速が見られる一方で、北米の建設需要はインフラ投資や工場建設を背景に予想を上回る堅調さを維持しているコマツや日立建機は、この北米のレジリエンス(回復力)と円安効果を背景に、厳しい経営環境下でも通期予想の上方修正を勝ち取っており、銘柄選別における地域ポートフォリオの重要性が改めて浮き彫りとなった 。

空調分野では、ダイキン工業が欧州のヒートポンプ暖房需要の減退という逆風に直面しながらも、日本やインドでの販売拡大、そしてデータセンター(DC)向け冷却システム等のアプライド事業の強化により、過去最高業績を更新し続けている 。防衛・重工分野では、三菱重工業が5兆円を超える受注高と12兆円という圧倒的な受注残高を記録し、国策に裏打ちされた「ディフェンシブ・グロース」としての地位を盤石なものにしている

今後1-2年の投資戦略においては、循環的回復を享受する「テック・リカバリー」銘柄と、構造的な成長余力を持つ「国策・社会課題解決」銘柄のバランスが肝要である。在庫調整が完了したシマノのようなサイクル反転銘柄への注目も怠れない2026年10月のJIMTOF 2026に向け、機械セクターは「知能化」と「グリーン化」を軸とした長期的な再評価局面に入ると判断される

マクロ経済環境と設備投資トレンドの詳細分析

工作機械受注統計:外需主導の力強い回復シナリオ

工作機械受注は、製造業全体の設備投資意欲を半年から1年先行して示す「炭鉱のカナリア」としての役割を果たす。2025年10月から2026年1月にかけての統計データは、機械セクターが「景気の谷」を完全に通過したことを証明している。2025年10月の受注総額は1,434.6億円(前年同月比17.1%増)となり、外需は1,077.6億円と単月での過去最高額を塗り替えた 。この傾向は2026年1月も継続し、前年同月比25.3%増の1,455億円という高水準を叩き出している

指標2025年10月(確定値)2026年1月(速報値)トレンド分析
受注総額1,434.6億円(前年比+17.1%)1,455.8億円(前年比+25.3%)4カ月連続の前年超え、回復加速 1
内需356.9億円(前年比+6.7%)326.2億円(前年比+2.0%)低水準ながら能増・更新投資が始動 2
外需1,077.6億円(前年比+20.9%)1,129.5億円(前年比+34.2%)過去最高更新、主要3極で投資意欲高揚 1

外需の急増を支える要因は地域ごとに異なるが、共通しているのは「人手不足への対応」と「供給網の再構築」である。北米では、リショアリング(国内生産回帰)の動きが加速しており、一般機械や自動車向けの投資が堅調である。特に、従来のEV一辺倒からHV(ハイブリッド)やICE(内燃機関)の再評価が進んだことで、既存ラインの改修や高度化需要が新たな層として積み上がっている 。アジア地域では、韓国やマレーシアにおける半導体関連の特需が目立ち、電気・精密向けの受注が7カ月ぶりの高水準を記録した

地域別・業種別の濃淡と投資マインドの変容

地域別の詳細な受注推移を見ると、投資マインドの変容が読み取れる。欧州市場では、一時期のエネルギー危機に伴う投資抑制が和らぎ、自動車向けの受注が11カ月ぶりに20億円を超えるなど、緩やかな回復基調にある 。しかし、一般機械向けは依然として過去の平均水準を下回っており、本格的な回復にはまだ時間を要する状況である。

一方で、中国市場は複雑な様相を呈している。ファナックの報告によれば、EV関連向けが下降気味である一方で、小型切削加工機「ロボドリル」などは堅調に推移しており、精密加工や電子産業向けの需要が底堅い 。中国のローカルロボットメーカーによる内製化や自動化投資も活発で、ハーモニック・ドライブ・システムズのように、中国ローカルメーカー向け受注が前年同期比41.8%増と急伸するケースも出ている 。これは、中国経済全体の停滞の中でも、自動化という「生存戦略」に向けた投資は止まっていないことを示している。

国内市場(内需)については、2025年10月に4年ぶりに前月比プラスとなり、暦年上期と比べて能増投資や更新投資が徐々に出現し始めている 。建設機械向け受注が6カ月連続で堅調に推移し、金型向けも高水準を維持するなど、製造業の基盤部分での設備刷新が動き出している事実は、2026年度に向けた明るい材料である。

サブセクター別論点:ファクトリーオートメーション(FA)とロボティクス

安川電機:半導体サイクルとエネルギー需要の交差点

安川電機の2026年2月期第3四半期累計(2025年3-11月)決算は、売上収益が前年同期比0.4%増の3,952億円、営業利益が3.3%減の331億円となった 。表面上の利益は微減だが、前年同期に計上された267億円の株式譲渡益という反動を考慮すれば、実質的な稼ぐ力は大幅に向上していると評価できる。

特筆すべきは、モーションコントロール事業におけるACサーボモータの回復である。日本の電子部品市場向けを中心に販売が増加しており、AI関連投資が牽引するグローバル半導体市場の回復を如実に反映している 。また、インバータ事業においては、米国での太陽光発電用パワーコンディショナ需要が好調で、脱炭素・エネルギーシフトというマクロトレンドを確実に収益化している点は、同社の多角的な強みを示している。

安川電機 セグメント別状況売上収益(前年比)営業利益(前年比)主要トピックス
モーションコントロール1,708億円 (△4.2%)163億円 (+2.4%)日本・アジアの半導体向けACサーボが回復 3
ロボット--中国・韓国の自動車向け設備投資が堅調 3
システムエンジニアリング--鉄鋼・社会インフラ向けが安定推移

今後の焦点は、北米・欧州の自動車市場における投資再開のタイミングである。現在は関税影響などにより軟調だが、自動化需要自体は底堅く、在庫調整の完了とともに2026年度の成長加速が期待される

ファナック:フィジカルAIによる「ロボット2.0」への進化

ファナックの直近の動向で最も市場に衝撃を与えたのは、「フィジカルAI」の実装とそれに伴う受注の急増である。最新の決算説明資料によれば、生成AIを活用し、従来は困難だった「柔らかいケーブルの配線」や「動く部品の組立」を自動化する能力を備えた協働ロボット「CRXシリーズ」が、短期間で1,000台を超える受注を獲得し、さらに数千台規模の商談が進行中である 。

これは、ロボットの導入障壁であった「複雑なティーチング(学習)」をAIが代替し、ロボットの適用範囲を従来の自動車工場から一般産業、さらにはサービス分野へと劇的に広げたことを意味する。ファナックは2025年度の売上高を過去最高水準に近い8,000億円超へと上方修正しており、FA部門の苦戦をロボットとロボマシンの成長で補う理想的なポートフォリオへの転換を進めている 。

ロボマシン部門においては、中国市場でのロボドリル需要が堅調に推移しており、スマートフォンやPCなどの電子機器向け加工需要の底打ちが確認された 。同社が掲げる「工場の稼働向上」と、サービス部門の二桁増収(+12.2%)は、インストールベース(既設機械数)の拡大が着実なストック型収益を生み出していることを示している 。

ハーモニック・ドライブ・システムズ:長い冬を越えた在庫調整の終焉

FAセクターの先行指標とも言えるハーモニック・ドライブ・システムズの決算は、セクター全体の「大底入れ」を印象づけた。2025年3月期第3四半期において、営業利益は依然として低水準ながらも前年同期の赤字から黒字転換を達成した 。特に国内の産業用ロボットメーカー向け受注が大幅に増加しており、足かけ3年に及んだサプライチェーン上の在庫調整が完了し、実需が表面化したことが大きい 。

中国セクターでもローカルロボットメーカー向けに売上高が前年同期比41.8%増となるなど、低価格帯から高価格帯までロボットの裾野が広がっている恩恵を受けている 。同社がAIロボット向けに年間約25億円の受注を獲得し始めている点は、今後のロボットの高知能化に伴う精密減速機の付加価値向上を示唆しており、中長期的なマージン改善の期待を高めている。

サブセクター別論点:建設機械・鉱山機械

コマツと日立建機:北米レジリエンスとアジアの停滞

建設機械セクターの2025年10-12月期決算は、地域による明暗がはっきりと分かれた。最大手のコマツの第3四半期は、建設機械・車両部門の減収減益により、全体で売上高2兆9,155億円(前年同期比1.4%減)、営業利益4,190億円(同10.1%減)となった 。最大の押し下げ要因はアジア地域、とりわけインドネシアでの不振であり、石炭価格の停滞や公共工事予算の制約により売上高が前年同期比で約3割(1,000億円規模)減少した 。

しかし、このマイナスを相殺したのが北米市場の驚異的な粘りである。金利高の影響で住宅向けは軟調なものの、政府のインフラ投資や半導体工場の建設、エネルギー関連の投資が建設機械の稼働を支えている。コマツは北米需要の堅調さを加味し、通期の業績予想を上方修正した

建設機械大手3社(2026年3月期 Q3)売上高動向営業利益・利益率地域別ハイライト
コマツ前年同期比 1.4%減 6営業利益 10.1%減アジア(インドネシア)が大幅減収、中南米・欧州が補完 5
日立建機前年同期比 減収 5不振米州、オセアニア地域が苦戦 5
コベルコ建機累計売上 2.3%減 5経常利益 68.1%減日本・欧州需要が低調、通期下方修正 5

日立建機についても、米州やオセアニアでの不振が見られたものの、サービス・部品販売によるストック型ビジネスが利益の下支えとなっている点はコマツと同様である。建設機械各社は、新車の販売台数に依存しない収益構造への転換を急いでおり、自律走行ダンプや遠隔操作技術といった「スマート建設」の導入が、顧客の生産性向上を通じて単価アップを可能にしている。

農業機械:クボタの直面するコスト圧力

クボタの2025年12月期決算は、売上高こそ3兆189億円と微増を確保したものの、営業利益は15.9%減の2,655億円と大幅な減益となった 。要因は明確で、原価率の上昇、人件費、および減価償却費の増加が利益を圧迫している。特に北米のディーラー在庫の積み上がりによる調整と、金利上昇に伴う販売金融コストの増加が響いた形だ。

今後の回復には、主要市場である北米の金利動向と、アジアにおける米価等の農産物価格の安定が鍵となる。機械セクターの中では、建機・FAに比べて回復のタイミングがやや後ずれする可能性が高い

サブセクター別論点:空調・住宅・産業インフラ

ダイキン工業:多極経営による過去最高業績の更新

ダイキン工業の2025年度第3四半期決算は、売上高3兆4,012億円(前年同期比2.0%増)、営業利益2,882億円(同1.4%増)と、過去最高業績を更新した 。欧州におけるヒートポンプ暖房の需要減退という深刻な逆風を、他の地域と製品ポートフォリオで完全に吸収した点は驚異的である。

ダイキン工業 地域別・事業別状況動向背景・要因
日本・アジア・インド販売拡大 7猛暑の影響と、中間層の拡大による普及加速
欧州ヒートポンプ需要減 7ガス価格の下落と補助金制度の変更による停滞
北米(住宅用)シェア挽回に遅れ 7競合との価格競争と在庫調整の影響
北米(アプライド)好調 7データセンター向けや大規模ビル需要の取り込み

今後の最大の成長エンジンは、生成AIの普及に伴い爆発的に増加するデータセンター向けの冷却システムである。同社のアプライド事業は、空冷・水冷チラーから末端の空調機までを網羅しており、省エネ性能の高さが選別の決め手となっている。また、北米では売価維持・アップ施策を徹底し、保守・修理サービスの収益化を加速させることで、利益率の維持を図っている 。

通期予想では売上高を4兆9,200億円に上方修正したものの、純利益については税金費用等の影響で2,680億円へ下方修正した 。しかし、本業の稼ぐ力を示す営業利益ベースでは依然として強含んでおり、セクター内でのクオリティ・ストックとしての評価は揺るがない。

産業用インフラ:SMCとホシザキの底堅さ

空気圧機器最大手のSMCは、2025年10-12月期において営業利益1,375億円(3.7%減)と微減となったが、為替差益の寄与もあり経常利益は1.8%増を確保した 。FA市場全体の在庫調整完了に伴い、半導体や電池工場向けの受注が再開しており、2026年度に向けては増益サイクルへの復帰が確実視される

厨房機器大手のホシザキは、売上高4,858億円(前年同期比9.1%増)、営業利益519億円(同1.7%増)と増収増益を達成した 。海外、特に米州や欧州での販売網拡充と、アフターサービスの強化が実を結んでいる。外食産業の人手不足を背景とした「厨房の自動化」需要は根強く、景気変動に左右されにくい安定した成長を続けている。

サブセクター別論点:防衛・エナジー・プラント

三菱重工業:12兆円の受注残が担保する「異次元の視界」

機械セクターの中で現在、最も高い成長の確信度を誇るのが三菱重工業である。2025年度第3四半期決算では、受注高が5兆291億円(前年同期比5,610億円増)、受注残高は12兆円を超えるという、過去に例を見ない水準に到達した 。

三菱重工業 2025年度Q3 財務実績実績値前年同期比市場予想比
受注高5兆291億円+12.5%大幅増 9
売上収益3兆3,269億円+9.2%予想比3%下振れ 10
事業利益3,012億円+25.5%大幅増 9
EPS(1株利益)28.6円-予想比38.6%上振れ 10

好業績の柱は二つある。第一に、日本の防衛予算拡大に伴う「防衛・宇宙セクター」の受注急増である。スタンド・オフ防衛能力や統合防空ミサイル防衛など、最先端装備の量産フェーズ移行が受注残を押し上げている。第二に、エナジーセクターにおけるガスタービン複合発電(GTCC)の好調である。脱炭素移行期の現実的な解として、水素混焼も可能な高効率ガスタービンの需要が世界的に高まっている。

市場は売上高が予想をわずかに下回ったことに反応し、決算直後の株価は1.45%下落したが、これは大規模プロジェクトの検収タイミングによる一時的な要因に過ぎない 。経営陣が通期の事業利益予想を4,100億円に上方修正した事実は、膨大な受注残が着実に「利益」へと転換され始めていることを示している。フリーキャッシュフローも1,676億円のプラスを維持しており、株主還元や次世代投資への余力も十分である 。

プラント・環境:栗田工業と日揮HDの回復

プラント・水処理分野でも、AIブームの恩恵が波及している。栗田工業は、生成AIの普及に伴うハードディスク市場の回復により、研磨砥粒素材であるシリカゾルの販売が好調である 。また、半導体製造装置向けの精密部品やデータセンター向け薄膜回路基板の需要も急速に回復している 。欧米での大型案件受注も成功しており、2025年度は当期利益の大幅増を見込んでいる

日揮HDも、これまで停滞していた大型LNGプラントや脱炭素関連プロジェクトの動きが活発化しており、プラント建設の受注環境は改善に向かっている。

定性分析:在庫サイクルとデジタルトランスフォーメーション

在庫調整の完了と「実需」への回帰

2024年から2025年前半にかけて機械セクターの株価を抑制していた最大の要因は、コロナ禍のサプライチェーン混乱期に積み上がった「過剰在庫」であった。今回の決算期は、この調整が完了したことを告げる歴史的な節目となった

自転車部品大手のシマノによれば、ほとんどの顧客が2025年末までに在庫調整を完了した 。同社は2026年に向けて実需に基づいた出荷回復を見込んでおり、これは他の機械コンポーネント分野(ベアリング、リニアガイド、空気圧機器等)にも共通する動きである。ハーモニック・ドライブ・システムズに見られる国内ロボットメーカー向け受注の急回復は、まさにこの在庫調整完了の典型的な証左と言える 。

「フィジカルAI」と「人手不足」の構造的連鎖

今後1-2年の機械セクターを定義付ける最大の定性要因は、AIが物理世界に干渉し始める「フィジカルAI」の商用化である。日本の「AI基本計画」においても中核に据えられており、いわば国策としての側面も持つ 。

フィジカルAIの影響具体的な変化関連企業
作業の自動化ティーチングレス、柔軟物の取り扱い 4ファナック, 安川電機
自律走行・操作建設現場、物流倉庫での無人化コマツ, 日立建機
保守・保全の高度化故障予兆検知によるダウンタイムゼロダイキン, 三菱重工

この技術革新が加速する背景には、世界的な労働力不足がある。製造現場、建設現場、物流現場のすべてで、もはや「ロボットなしでは事業が継続できない」状況が生まれている。ファナックのCRXシリーズに見られる1,000台規模の即時受注は、これまで自動化を諦めていた層が「AIロボットなら使える」と判断し始めた証拠である 。

注目銘柄の徹底分析(推奨根拠とリスク要因)

三菱重工業 (7011)

推奨根拠: 12兆円という「2年分以上の売上」に相当する受注残高は、極めて高い利益成長の可視性を提供している。防衛関連の契約は、インフレに対応した価格修正条項が含まれるケースも増えており、低収益だった過去の防衛事業とは一線を画す。エナジー事業でも、脱炭素に向けたガスタービンの需要は2030年代まで続く。

リスク要因: プロジェクトの長期化に伴う地政学的リスク。また、人件費高騰による工事原価の上昇が、固定価格での既存受注案件の採算を悪化させるリスク。

投資判断: セクター内トップピック。株価は高値圏にあるが、EPS成長率を考慮したPEGレシオでは依然として割安感がある 。

ファナック (6954)

推奨根拠: 「フィジカルAI」によるロボット部門の再定義が最大の買い材料。在庫調整が完了し、中国・北米の投資再開サイクルに乗る準備が整った。2025年度の売上高8,000億円超への上方修正は、回復の確度の高さを示している 。

リスク要因: 中国市場におけるローカルメーカーの技術追随。為替が130円台に突入するような急激な円高局面では、海外売上比率が高い同社の利益は下押しされる 。

投資判断: 循環的回復と成長物語の復活。マルチプルの再評価を狙った買い

ダイキン工業 (6367)

推奨根拠: 欧州の不調という最悪期を脱しつつある。データセンター向け空調という、半導体セクターに匹敵する成長テーマを内包。世界各地での現地生産・現地販売体制(多極経営)は、貿易摩擦リスクに対する最強の防御壁である 。

リスク要因: 米国の金利高止まりによる住宅着工の長期低迷。ヒートポンプ需要を支える欧州各国の政策変更(補助金の削減等) 。

投資判断: 安定成長を好む長期投資家向け。押し目は継続して買い増しの好機

安川電機 (6506)

推奨根拠: 半導体製造装置向けのACサーボモータが、AI関連投資を起点に反転。1-3月期の受注動向がセクター全体の先行指標となるため、ポジションを先行して構築する妙味がある。米国のエネルギーインフラ投資の恩恵をインバータ事業で直接受けられる 。

リスク要因: 中国の不動産不況継続による、一般産業向けロボットの需要回復の遅れ。

投資判断: 回復のスピードを重視するアグレッシブな投資家向け

コマツ (6301)

推奨根拠: アジアの不振を北米で補う「地域分散」の勝利。鉱山機械の大型更新需要が控えており、部品・サービス部門の利益率が高い。通期予想の上方修正は、コスト管理能力の高さの証明である

リスク要因: 中国経済のさらなる減速と、インドネシア等での石炭価格急落による鉱山投資の冷え込み。

投資判断: バリュエーションと配当利回りのバランスが良いバリュー株としての魅力

イベントスケジュールと今後の展望

2026年に向けて、機械セクターの再評価を加速させる重要なイベントが目白押しである。

2026年4-5月:2025年度本決算・2026年度ガイダンス発表

多くの企業で在庫調整が完全に終了し、AIロボットや脱炭素関連の寄与が本格化する2026年度の見通しが示される。ここで示される「増益率」が、通年の株価の方向性を決定付ける

2026年5月:iREX(国際ロボット展)関連の技術発表

「フィジカルAI」の具体的なユースケースがさらに提示される。ヒューマノイドロボットの実用化に向けた進展にも注目が集まる

2026年10月26日-31日:JIMTOF 2026(第33回日本国際工作機械見本市)

東京ビッグサイトで開催される、世界最大級の技術ショー。2008年以来続いてきた土日を含む日程を、ウィークデー中心の月-土へと変更し、ビジネス実務に即した形式で開催される 。DX化の推進やAIを用いた海外来場者対応など、展示会そのものの知能化も進む 。

結論:機関投資家への提言

2025年10-12月期決算を総括すれば、機械セクターは「マクロの不透明感」と「ミクロの技術革新」が激しく火花を散らす局面にある。景気後退を懸念するマクロ派の視点では、アジアの減速や欧州の停滞がリスクに映るだろう。しかし、シニアアナリストとしての見解は異なる。

現在の設備投資は、単なる「需要に応じた増産」ではなく、人手不足とコスト高騰という「生存の脅威」に対する唯一の解決策としての「自動化・知能化投資」へと変質している。この構造変化の恩恵を最も受けるのは、ファナックや安川電機のようなFAリーダーであり、また防衛という絶対的な国家ニーズを掴む三菱重工業である。

投資アクションとしては、以下の3点を推奨する。

AI・半導体関連への再配分: 在庫調整が完了したFAコンポーネント、およびAIチップ製造を支える精密機械銘柄のウェイトを引き上げる。

地域ポートフォリオの精査: 北米での強固な地盤を持つダイキンやコマツ、三菱重工をコアに据えつつ、中国リスクを「フィジカルAI」という付加価値で突破できる銘柄を選別する。

ストック収益の評価: 新車販売だけでなく、部品・サービス・ソフトといった「稼働ベースの収益」が高い銘柄を、不確実性への耐性として評価する。

機械セクターは、2026年のJIMTOFに向けて、日本の製造業が世界に対して「知能化されたものづくり」の覇権を再主張するフェーズに入る。投資家は、目先の四半期利益のブレに惑わされることなく、この構造的なパラダイムシフトの波に乗るべきである。

【免責事項】

本レポートは、AI(人工知能)が収集・判断した情報に基づき作成されていますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。記載された見解は作成時点での判断であり、予告なく変更されることがあります。 本レポートは情報提供のみを目的としており、特定の有価証券の売買やその他の取引を推奨し、あるいは勧誘するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。本レポートの利用により生じたいかなる損害についても、αβ Researchは一切責任を負いません。

【AIによる分析に関する注記】

本レポートにおける分析、判断、および執筆は、すべてAIによって自動生成されています。そのため、現時点ではその出力が必ずしもお客様の要求水準に達していない可能性があります。 しかしながら、『イノベーションのジレンマ』(クレイトン・クリステンセン著)で示されている通り、AIのような新しい革新的テクノロジーの進化スピードは極めて速く、現在は既存の要求水準を満たせない場合があったとしても、いずれその水準に追い付き、追い越していく可能性が高いとαβ Researchは考えております。本レポートの利用に際しては、この点もご承知おきください。

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